Shota's Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

アメリカの地下にある忘れられた数千kmの地下道──ただただ怖い。

歴史が浅い国のわりに、アメリカの地下には数千kmもの忘れられた地下道がある。破棄された地下鉄網や道路、廃坑などだ。
地上には陽射しに包まれた生活がある。
しかし地下にもし、封じられた人々の生活があるとしたら……まるで地上の人々の幸せの影にように。
交わるべきではなかったのに、ある移動遊園地には、ふたつの世界を繋ぐ穴が開いていた──ただただ怖い、が、最後の一瞬で、観客はさらに怖いことに気づく。

【CDジャーナル 2020年春月号掲載】

アメリカの地下にある忘れられた数千kmの地下道──ただただ怖い。

<p align="center"><a href="https://www.amazon.co.jp/%E3%80%90Amazon-co-jp%E9%99%90%E5%AE%9A%E3%80%91%E3%82%A2%E3%82%B9-%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%82%A4-DVD-%E9%9D%9E%E5%A3%B2%E5%93%81%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%88%E4%BB%98-Blu-ray/dp/B082SQLVGV/ref=as_li_ss_il?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&dchild=1&keywords=%E3%82%A2%E3%82%B9&qid=1592537606&sr=8-8&linkCode=li2&tag=robof-22&linkId=da537d17ff712e35d6276cf088853ece&language=ja_JP" target="_blank"><img border="0" src="//ws-fe.amazon-adsystem.com/widgets/q?_encoding=UTF8&ASIN=B082SQLVGV&Format=_SL160_&ID=AsinImage&MarketPlace=JP&ServiceVersion=20070822&WS=1&tag=robof-22&language=ja_JP" ></a><img src="https://ir-jp.amazon-adsystem.com/e/ir?t=robof-22&language=ja_JP&l=li2&o=9&a=B082SQLVGV" width="1" height="1" border="0" alt="" style="border:none !important; margin:0px !important;" /></p><p>歴史が浅い国のわりに、アメリカの地下には数千kmもの忘れられた地下道がある。破棄された地下鉄網や道路、廃坑などだ。<br>地上には陽射しに包まれた生活がある。<br>しかし地下にもし、封じられた人々の生活があるとしたら……まるで地上の人々の幸せの影にように。<br>交わるべきではなかったのに、ある移動遊園地には、ふたつの世界を繋ぐ穴が開いていた──ただただ怖い、が、最後の一瞬で、観客はさらに怖いことに気づく。</p><p align="right">【CDジャーナル 2020年春月号掲載】</p>

苦労人は、いつしか歪んだユーモアを持つサイコパスとなった。同情はできない哀しさ。

世紀の悪人は、いかにして悪人となりしか。
アメコミの常で各キャラの出自は何度も違う形で描かれてきたが、バットマンの宿敵ジョーカーについては、これがもっともダーク。
堕ちていったのに、大きな要因などなかった。病の母を介護しつつ芸人を目指し、ピエロ役で下積みする男の小さな苦悩の積み重ね。本作はそれを丹念に描いた。
苦労人は、いつしか歪んだユーモアを持つサイコパスとなった。同情はできない哀しさ。

【CDジャーナル 2020年春月号掲載】

感情を持たない欠陥品だと気づいた少女は、“優等生”の友人にセラピーを受けることに……しかしそこにはより深い闇が。

自分が“怒り”や“悲しみ”という感情を持たない欠陥品だと気づいた少女は、周囲の感情をテクニックで模倣することで調和を保とうとしていた。 
精神科医たちは助けにはならない。挙げ句、同級の“優等生”に友人としてセラピーを受けることに。
しかし、歪みが外から見えている少女よりも、歪みを隠し通している“優等生”の闇は深かった──。ふたりは確かに通じ合った、“凶暴な友情”で。
小粒ながら、深い狂気を秘めた佳作。

【CDジャーナル 2020年春月号掲載】

男と女、一度愛の不均衡が生まれると、なかなか本人らには是正できない

男は女を雑に扱う。女はそれでも一途に好きでいる。 一度愛の不均衡が生まれると、なかなか本人たちには是正できない。
“恋人”という関係の、実際の惰性や曖昧さを淡々と、しかしある意味容赦なく描写する。
小説を原作に持つせいか人物背景などを作り込みすぎ、あざとい感もあるが、“幸福の瞬間”の象徴としてもっとも印象的な“ケチャップを味見する”シーンが、成田凌のアドリブだと知って驚く。丁寧な良作。

【CDジャーナル 2020年冬月号掲載】

もろもろブッ込んだB級覚悟の前作にさらにマッドなSF色を大量添加

B級覚悟なのに意外にもヒットした前作のさっそくの続編。

もろもろブッ込んだ前作にさらにマッドなSF色を大量添加、ただでさえループしている縦の時間軸に、方々に分岐する並行世界を横軸として織り込み、登場人物も観る方も大混乱。そのカオスが楽しい。

刺殺、撲殺、爆死に焼死、挙げ句の果てに農薬を飲み干したり華麗に首吊りしたりと、“死に方”のバリエーションを楽しんでるな、制作陣。

近年なぜか多いタイム・ループものを茶化す姿勢も◎

【CDジャーナル 20202年冬月号掲載】

「B級上等!」なのによくまとまっていて◎

ホラー × サスペンス × SF × 学園ロマンスと、「B級上等!」的にブッ込んできたわりに、よくまとまっていて楽しい。
ある朝見知らぬ男子学生のベッドで目覚めたツリーは、二日酔いを呪いつつ最悪の一日をすごし、最後に仮面を被った何者かに殺され──たはずが、また同じベッドで目覚める。
何度殺されても同じ、死に方を変えても、粗雑な性格を改めても、同じ一日から抜け出せないタイムリープ
制作陣もたぶん予想していなかった思わぬヒットで続編決定。

【CDジャーナル 2020年冬月号掲載】