Shota's Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

ミッション:8ミニッツ

シカゴ郊外で列車が爆発、乗客は全員死亡。主人公の男は、その直前8分間の世界に“意識”を送り込まれた。死者は死の直前の8分間の記憶を神経に残している。その残思念をプログラムで世界化し、その中に潜り込んで連続爆破テロの犯人を捜す、というのが彼の任務。だが何度も繰り返し最期の8分間と死を追体験する中で、彼はそのプログラムに疑問を抱いて──。サスペンスとしては平凡だが、SFとしては目新しい。タイム・トラベルでもパラレル・ワールドでもない“虚実半ばの空間”を綻びなく具現化。

【CDジャーナル 2012年05月号掲載】