Shota's Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

清水ミチコ物語

デビュー25周の清水ミチコ、モノマネCD7枚のベスト盤である(このジャンルに“ベスト盤”という概念があり得たんだ!?)。ユーミン桃井かおりなど彼女の古典的名技での熱唱を始め、作曲法の模倣やピアノ技術など、お笑いの裏に音楽的素養を感じる点は多いが、やはり“音痴のモノマネ”は、本当に音感がよくないとできんだろうなあ(浅田美代子とか黒木瞳とか)。散々笑わせたあとで、得意の矢野顕子忌野清志郎のデュオ「ひとつだけ」を最後に持ってくる(新収録)。虚実混交の名人芸で、絶品。

【CDジャーナル 2012年04月号掲載】