馬鹿をやらせたら天才的なサイモン・ペッグが主演・脚本・製作総指揮の、たった一夜のラヴ・コメディ。いろいろとこじらせてくすぶっている34の独身女と40のバツ一男が、相手を取り違えたまま初デートして、一瞬は意気投合するものの数時間後には罵り合い、軌道修正に介入する輩も皆どこか素っ頓狂で──。ハリウッド界隈に流通する“The Black List”(秀逸なのにまだ映画化されてない脚本ランキング)に載っただけあって、脚本は巧み、だがそれは“技巧に走りすぎ”ともいえる。が、まあいいや、笑えたから。
【CDジャーナル 2016年09月号掲載】