ル・ディヴォース / パリに恋して
パリの洒落た街並みの中を舞台とした、何組かの男女の出会いと別れ。その中心となる姉妹、ケイト・ハドソン(『10日間で男を上手にフル方法』『あの頃ペニー・レインと』)とナオミ・ワッツ(長く続いた不遇がハリウッド版『ザ・リング』で報われたばかり)の共演が見所の、小粋なロマンス・コメディ。“パリのアメリカ人”を描くことで、万国共通だと思われがちな恋愛観の差を軽やかな笑いとともに映し出す。特に恋愛が結婚・離婚まで到達したときの、家族の介入のし方にそれぞれお国柄が滲み出て興味深い。しかし本作に出てくるフランス人、ロシア人、日本人──アメリカ人って、自国以外の文化を表面的になぞって茶化すことになんの躊躇もないな。
【CDジャーナル 2005年04月号掲載】