女は二度決断する
家族を理不尽な理由で殺されたら、自分はどういう行動に出るか──誰しも考えたことがあるのではないか。
舞台はドイツ、ハンブルク。主人公の女性はトルコ系移民である夫と結婚し、6歳の息子とともに幸せな生活を送っていた。しかし外国人排斥を正義だと信じるネオナチの若い男女により、ある白昼、夫と息子は突如爆殺されてしまう。
夫に薬物犯罪の前科があったことも災いし、司法の判断は彼女の傷口に塩を擦り込むようなものだった。
ダイアン・クルーガーの胸が締め付けられるような表情、カンヌ主演女優賞も納得。
【CDジャーナル 2018年11月号掲載】
ジーサンズ はじめての強盗
長年の工場勤めを終え、隠居したはずのジーサン3人組。身勝手な企業や銀行の都合で年金は打ち切り、家まで失いそうに。3人は意を決し、なんと銀行強盗に挑むことに──。主演の3人組がモーガン・フリーマン、マイケル・ケイン、アラン・アーキンと全員オスカー俳優で、プラス『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のドクことクリストファー・ロイドがいい味のボケ老人を演じる。劇中の老人の洒脱な雰囲気とともに、老優それぞれの人生を重ね見て、「こんなジーサンになりたい!」と思わされる軽快で小粋なコメディ。
【CDジャーナル 2017年12月号掲載】
ザ・マミー / 呪われた砂漠の王女
ロンドンで十字軍の巨大な地下墓地が、中東では古代エジプト王女の呪われたミイラが発見され──。米国ではホラーからコメディまでなぜかここ何十年もゾンビ映画の人気が続いているが、その流れをトム・クルーズがオレ様流にアレンジ、インディ・ジョーンズ的な偽歴史も織り込んだ一大スペクタクルに。もちろんお得意のアクションも全開。ユニバースは今後過去のさまざまな有名モンスター作品をリメイクしていくそうで、その“ダーク・ユニバース”プロジェクトの第一弾となる本作は1932年の『ミイラ再生』が元ネタ。
【CDジャーナル 2017年12月号掲載】