Shota's Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

たぶん根は悪い人間ではない、気まぐれに見える小娘の造形がよい

 ブラジルのどこかの田舎町。
視力を失いつつある独居老人は、頑固で融通が利かず、大切な手紙も読めない。
そんな彼が偶然出会ったのは、サクッと人の物を盗んでいくし、シレっとを人を裏切るような小娘。
たぶん根は悪い人間ではない彼女に手紙のやりとりの代行を頼むうち、老人には活力が戻ってくる。生きる潤いが、意欲が戻ってくる。
気まぐれに見える小娘の造形がよい。そしてなんだかソワソワしている老人の姿がかわいい。
質の良い小作。