Shota's Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

実話。彼らは今、どうなっているんだろう。

 “ストックホルム症候群”――誘拐や監禁などの密室状態で、被害者が犯人に好意を持ってしまう心理状態。本作ではその名の元となった1973年の人質監禁強盗事件を丁寧に、時に乱暴に描く。政治家や警察など部外者を信じられない中、被害者の密室での好意は恋となっていく……。保身のための勘違いなのかもしれない。しかし恋とはすべからく勘違いである。主演のイーサン・ホークノオミ・ラパスも好演。ところで彼らは今、どうなっているんだろう。