Shota's Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

ただただ怖い、が、最後の一瞬で、観客はさらに怖いことに気づく。

歴史が浅い国のわりに、アメリカの地下には数千kmもの忘れられた地下道がある。破棄された地下鉄網や道路、廃坑などだ。地上には陽射しに包まれた生活がある。
しかし地下にもし、封じられた人々の生活があるとしたら……まるで地上の人々の幸せの影にように。
交わるべきではなかったのに、ある移動遊園地には、ふたつの世界を繋ぐ穴が開いていた──ただただ怖い、が、最後の一瞬で、観客はさらに怖いことに気づく。