Shota's Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

ボリウッド映画から脱し、殺す、殺す、埋める、隠す。

話題のため盲目を装ったピアニストが、招かれて行った大富豪の家で、その富豪が若い妻とその愛人に殺されているのを“目撃”。
いや、目撃してはならないのだ、彼は盲目なのだから。
大勢の歌と踊りで魅せるボリウッド映画から脱し、脚本と演技の力で勝負した一本。
若く美しい妻らは、気軽に歌い踊る代わりに、殺す、殺す、埋める、隠す。
かなり凄惨な話なのに始終苦笑していられるのは、やはり監督と脚本の力。

【CDジャーナル 2020年夏月号掲載】