Shota's Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

感情を持たない欠陥品だと気づいた少女は、“優等生”の友人にセラピーを受けることに……しかしそこにはより深い闇が。

自分が“怒り”や“悲しみ”という感情を持たない欠陥品だと気づいた少女は、周囲の感情をテクニックで模倣することで調和を保とうとしていた。 
精神科医たちは助けにはならない。挙げ句、同級の“優等生”に友人としてセラピーを受けることに。
しかし、歪みが外から見えている少女よりも、歪みを隠し通している“優等生”の闇は深かった──。ふたりは確かに通じ合った、“凶暴な友情”で。
小粒ながら、深い狂気を秘めた佳作。

【CDジャーナル 2020年春月号掲載】