Shota's Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

男と女、一度愛の不均衡が生まれると、なかなか本人らには是正できない

男は女を雑に扱う。女はそれでも一途に好きでいる。 一度愛の不均衡が生まれると、なかなか本人たちには是正できない。
“恋人”という関係の、実際の惰性や曖昧さを淡々と、しかしある意味容赦なく描写する。
小説を原作に持つせいか人物背景などを作り込みすぎ、あざとい感もあるが、“幸福の瞬間”の象徴としてもっとも印象的な“ケチャップを味見する”シーンが、成田凌のアドリブだと知って驚く。丁寧な良作。

【CDジャーナル 2020年冬月号掲載】