Shota's Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

「虎の威を借る狐」の寓話を映画化したのかと思いきや、実話

第二次大戦末期のドイツ軍。
脱走した若い兵士が、道端で将校の軍服を見つける。それを着た彼を本物の将校と勘違いして媚び諂う者が集るようになり、権力に酔う若者は「即決裁判所」をも司るように。
裏切り者、売国奴と見做した同朋を次々とを処刑し始めたのだ。
「虎の威を借る狐」の寓話を映画化したのかと思いきや、実話だとな。
これから殺す相手を舞台に立たせて宴ができる。それが戦争、愚の極み。

【CDジャーナル 2019年秋月号掲載】