Shota's Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

老女王の寵愛を争う女二人の生臭さ、狡猾さ。

18世紀初頭、続く戦争に疲弊していた英国。老いて孤独な女王と、二人の女がいた。幼馴染で遠慮のない公爵夫人。没落貴族で、下女となった美しい少女。
二人が競って寵愛を受けようと、老女との性行為すら厭わないのは、女王の信じる“愛”からではない。ただの上昇欲求だ。
①舞台や衣装の豪奢さと、彼女らの生臭さ(クンニ、手コキなんて行為も大事な劇中要素)、
②アホ面の男どもと女の狡猾さ、ふたつの対比を楽しむ。

【CDジャーナル 2019年夏号掲載】