奇をてらわない「愛することの悲しさ、切なさ」。多様化したゲイ映画の原点回帰。
“神の恵みの地”、つまり肥沃な農地が続くだけの広大な田舎。
老いた家族と酪農でくらすジョニーは、すべてを諦めた顔をしている。
彼はゲイだが、だから何があるわけでもない。酒と、たまに街に出たときの刹那的なセックスがあるだけ。
だが、農場を手伝いにきたある精悍な男との出会いは、いつしか彼の“諦め”を引っくり返す──奇をてらわない「愛することの悲しさ、切なさ」。多様化したゲイ映画の原点回帰。◎。
【CDジャーナル 2019年夏月号掲載】