Shota's Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

ビフォア・ミッドナイト

大きな賞にはほぼ無縁だが、人に薦めると必ず“よかった!”と言われる連作の三作目。95年の『ビフォア・サンライズ』では、列車で出会った米仏の若い男女が意気投合、夜明けまでの限られた時間、ウィーンの街中を自由に歩き回る。9年後の『ビフォア・サンセット』(04)ではパリで再会(キャストもスタッフも時間軸も同じ)、さらにその9年後を描いたのが本作。今や互いにパートナーもいる彼らは、愛でもセックスでもなく、軽妙かつ深い“会話”だけで繋がる。9年ごと、それなりに老けていくふたりの様子も魅力。

【CDジャーナル 2014年09月号掲載】