鉄道マニアには読んで字のごとくの“乗り鉄”“模型鉄”だけでなく、写真専門の“撮り鉄”、音声音響専門の“音鉄”などがいるとは聞いていたが……。昭和45年に国鉄が個人旅行の拡大を狙って打ち出した“ディスカヴァー・ジャパン”キャンペーンの勢いを借り、コロムビアの録音技術者たちが自ら電車に乗って録音した当時の駅や車内のアナウンス、走行音、駅弁の売り子の声などを初CD化。マニア垂涎、シロウト唖然……の三枚組。おおむね路線に沿った順序で収録されているので、昭和の日本を旅しているような郷愁にもひたれる。長閑。
【CDジャーナル 2010年05月号掲載】