Shota's Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

俺たちフィギュアスケーター

繊細でアイドル的な存在のジミーと、野性的で荒れくれ者のチャズは、ともに米フィギュアスケート界のトップ選手。正反対の性格ながら金メダルを争う仲だったが、あるときリング上で洒落にならない大げんかをしてしまい、フィギュアの男子シングル部門から永久追放に。だが数年間後、彼らはスケート連盟の規約のほころびに気づき、なんと史上初の“男同士のペア・スケート”に挑戦して復帰する──!!! アメリカお得意のバカ映画である。“男同士のフィギュア・ペア”という設定だけでも可笑しいのに、そこに執拗に“股間ネタ”や“あり得ない大技”を組み入れてくる。失敗すると相手の首が切り落とされてしまう北朝鮮の大技って、なんじゃそら! “意地悪なライバル”とか“ほのかな恋心”とかのビッチな要素も抜け目なく配合、サーシャ・コーエンやスコット・ハミルトンといった歴代有名スケーターたちが本人役で出演しているのも楽しい。

【CDジャーナル 2008年07月号掲載】