Shota's Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

ロボッツ

ロボットだけの世界の片田舎、しがない皿洗いロボットを父として生まれたロドニーは、頭脳回路からアイデアが溢れ落ちてくるような発明少年。偉大な発明家になって世の中に役立ちたいという夢を追い、両親の猛反対を押し切って、一人で大都会ロボット・シティに旅立つが──。CGで描かれた愛嬌あるロボットたちと、ギミックに溢れた街の風景は、観ているだけで楽しい。親子で楽しむにはピッタリ。だが“ロボット”という設定は表面的なもので、中身は完全に立身出世・勧善懲悪の人間ドラマ。手塚アニメなどで“ロボットであることの苦悩”にまで馴染んでいる日本人には、擬人化されすぎていて物足りないかも。せっかくのロボット・ワールドなのにな。

【CDジャーナル 2006年02月号掲載】